エレン・マッカーサー財団、循環型経済の達成度評価指標を開発
循環型経済は有限な資源の消費量増加に依存しない経済成長・開発を目指す国際経済モデルで、製品や原材料をさらに活かせる可能性と共に、原材料調達リスクの軽減手段として注目されている。しかし、企業にとって従来の直線型経済から循環型モデルへの移行の進捗状況を評価する方法や支援ツールはこれまで確立されていなかった。
循環型経済を推進するエレン・マッカーサー財団などが2年かけて進めてきた循環指標プロジェクト(仮訳)(Circularity Indicators Project)は、循環型経済に関する製品や企業の取組達成度の評価指標を開発した。原材料の流れの循環性を評価する原材料循環指標を中心とし、さらに影響度やリスクを評価する補完指標が用意されている。これらの指標は製品設計における使用に加え、社内報告、購買決定、企業評価等にも利用できる。
また、材料情報技術大手のグランタ・デザイン社が開発した循環指標のウェブツールも、同時に商品化された。同社の製品リスク分析評価ソフトウェア・パッケージMI:Product Intelligenceに組み込まれている製品の部品表作成・分析ツールには、環境、規制、サプライチェーンなどの面から製品リスク分析するレポート機能があるが、循環指標を活用した循環レポート機能が、今回新たに加えられた。