2018年9月10日

100%持続可能な、再生資源によるパッケージ開発を目指す企業研究コンソーシアム「NaturALL Bottle Alliance」に、世界飲料大手米ペプシコが参加を表明した。同コンソーシアムは、2017年にダノン、ネスレ・ウォーターズ、バイオベースの材料開発を行うオリジン・マテリアルズにより発足した。ペプシコは、コンソーシアムへの参加により、その共通のゴールである飲料容器開発を進めるとともに、同社のカーボン・フットプリントを大幅に削減するという目的の達成に向け取り組んでいく。

同コンソーシアムで開発している原料は、段ボールや、おがくずなどに使用されているバイオマス原料を用いており、食料・飼料生産向けの資源や土地利用の転換につながることはない。開発された技術は、科学的に飛躍的な発明であり、同コンソーシアムでは将来的に食品・飲料業界全体に同技術の活用を広げることを視野に入れている。

同コンソーシアムでは、2017年に試作として80%バイオベースのPETをパイロット製造し、その後商用スケールでの製造に向けた技術革新に取り組んでいる。デモ用の工場の建設に着手しており、18,000トンの生産能力を持つこれらの工場は、2020年までには完全に稼働できる見込みである。また、その後はさらにバイオベースの割合を段階的に95%にまで上げて商用スケールで生産する計画で、将来的には100%の目標を達成したいとしている。

プラスチックへの取り組みは世界的にも注目されている。企業のイニシアチブ以外に、国際機関による取り組みにも進展が見られる。2018年9月10日に、国連環境計画(UNEP)、スウェーデン国際開発協力庁(Sida)、東アジア海洋調整機関(COBSEA)が、東南アジアでの海洋廃棄物と、プラスチック汚染問題に対処するためのプロジェクトを発表した。東南アジアは、同課題が最も深刻な地域の一つである。本プロジェクトでは、同地域における廃棄物管理システムを整備し、海洋へのプラスチック流出を減らすことを目指している。