2016年4月 7日

国際再生可能エネルギー機関（IRENA）は報告書「2016年再生可能エネルギー発電設備容量統計（仮題）（Renewable Capacity Statistics 2016）」を発表した。2015年末、世界の再生可能エネルギーの発電設備容量の1年の増加率は過去最高の8.3％となり、152ギガワット（GW）増加して1,985GWとなった。

IRENAのアドナン・Z・アミン事務局長は、「石油とガスの低価格にもかかわらず、再生可能エネルギー導入は世界的に増え続けている。再生可能エネルギー技術のコストが下がり、経済、社会、環境の推進力が従来型の電源よりも再生可能エネルギーの導入を促している。再生可能エネルギーの大幅な成長と2015年の2,860億ドルという記録的な投資額は、投資家や政策立案者に再生可能エネルギーが今や優先的な選択肢であることを強く示唆するものである」と述べた。

2015年は技術コストが低下したことを受けて、風力発電と、太陽光発電において発電設備容量の記録的な成長が見られた。風力発電は陸上発電施設のコストが2010年から45％低下し、太陽光発電は発電モジュールのコストが同期間に80％低下した。過去5年間で全体の発電設備容量は約1/3増加した。

以下、発電設備容量の増加量（GW)及び、増加率（％）

風力発電：63GW（17％）、太陽光発電：47GW（26％）、水力発電：35GW（3％）、バイオエネルギー：5GW（5％）、地熱発電：1GW（5％）

地域別では、中央アメリカとカリブ諸島で発電設備容量が14.5％増加し、アジアは2015年の世界全体の新規再生可能エネルギー発電設備容量の58％を占めており、発電設備容量は12.4％増加した。

再生可能エネルギーは特に新興諸国で大きく伸びており、先進国だけでなく開発途上国においても再生可能エネルギーが経済発展に寄与していることを示している。

2015年末の世界的な再生可能エネルギーの構成は、水力1,209GW、風力432GW、太陽光227 GW、バイオ104GW、地熱13GW、海洋（海流、潮流）0.5GWである。