2020年11月25日

国際統合報告評議会(IIRC)と米国サステナブル会計基準審議会(SASB)は、2021半ばまでに統合し、バリュー・レポーティング財団(the Value Reporting Foundation)を設立する意向を発表した。グローバルなサステナビリティの成果を担う、幅広い企業の価値ドライバーと基準を包括した、統合的な企業報告フレームワークを投資家と企業に提供していくという。

この統合は、企業報告の合理化を求める世界の投資家と企業の要望に応えたもので、企業の価値ドライバーを市場に伝える明確なソリューションを提供するものである。既存の統合報告(IR)フレームワークとSASBスタンダードは相互補完するツールとして維持され、同財団は双方を活用していくという。
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IIRC理事会のチェアマンBarry Melancon氏は、コメントの中で「IRは、あらゆる価値創造に関連したトピックの詳細と、それらを企業の戦略と報告の中に統合させるアプローチを示す。一方でSASBは、各業界におけるこれらのトピックについて、報告すべきデータの正確な定義を示す。世界の組織はすでに両方を活用して、投資家にサステナビリティ課題が長期的な企業価値にどのようにつながるかを効果的に伝えており、こうした努力が最終的に他のステークホルダーの利益につながっている。バリュー・レポーティング財団は、IRフレームワークとSASBスタンダードの概念を一層リンクさせていく」と述べた。

今回の統合は、SASBとIIRCのほか、CDP、気候変動開示基準委員会(CDSB)、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)の、非財務情報開示のフレームワークと基準を提供する5民間団体が、包括的企業報告システムについて2020年9月に共同でまとめた、「包括的企業報告に向けて協働するための文書(仮訳)(Statement of Intent to Work Together Towards Comprehensive Corporate Reporting)」を前進させる動きである。

VRFは、ロンドンとサンフランシスコの両方に本拠地を置き、CEOには現在のSASBのCEO Janine Guillot氏が就任する予定。