2016年11月 1日

米国の経営学誌「ハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review、HBR)」は、2016年版「世界のCEOベスト100」ランキングを発表した。S&Pグローバル1200指数銘柄企業のCEOのうち、就任後2年未満のCEOと逮捕・犯罪歴のあるCEOを除いた32カ国886社895人のCEOをランク付けしている。2010年にランキングを開始した当初は財務業績のみで評価を行っていたが、2015年版からは環境・社会・ガバナンス(ESG)格付を評価に取り入れ、その結果3年連続トップだった米アマゾン社のジェフ・ベゾスCEOが大きくランクを落とす波乱があった。2016年版では、過去のESG格付が主観的であったとの批判に応え、サステナリティクス社の格付に加えてCSRHub社の評価も併用した。

今回のランキングトップは昨年に引き続きデンマークの製薬企業ノボ ノルディスクのラ―ス・ソレンセン氏、2位は英広告代理店WPPのマーティン・ソレル氏、3位はスペインのファストファッション小売企業でZARAブランドを展開するインディテックスのパブロ・イスラ氏となった。日本企業のCEOでは、日本電産の永守重信氏が42位、ファーストリテイリングの柳井正が46位、ソフトバンクの孫正義が73位、エーザイの内藤晴夫が87位にランク入りした。女性CEOは2人のみで、同誌は評価対象886社のうち女性CEOが率いる会社が3%に過ぎないことを指摘し、ビジネス界にジェンダーバイアスが根強く残っている現実の反映であると説明している。