2018年8月 1日

企業のCSR報告書作成の国際的なスタンダードを策定するグローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)と、持続可能な成長を実現するための世界最大の企業イニシアチブである国連グローバル・コンパクト(以下、UNGC)は、企業がSDGs報告を行う際に使える実用的なガイドとして、「実践ガイド:企業報告に持続可能な開発目標(SDGs)の統合(仮訳)(Integration the SDGs into Corporate Reporting: A Practical Guide)」を共同で発表した。本ガイドは、企業の規模に関わらずSDGsターゲットの優先順位付けする際の一助となる、と述べている。

17のSDGs目標は、2030年までに価値にして12兆米ドルのビジネス機会を創出すると予想されており、世界中のあらゆる企業は目標達成に向けて行動を起こすことを奨励されている。しかしながら、SDGs達成に向けた企業努力の測定や報告については今まで統一された方法論が確立していなかったことが大きな壁となっていた旨を指摘している。

本ガイドは新しいフレームワークを提案しているわけではないものの、UNGCの10原則、ビジネスと人権に関する指導原則、GRIスタンダードを踏襲した内容となっている。本ガイドでは、企業が単により報告しやすいという理由でSDGsの17目標から目標を選び取るのではなく、むしろ、その企業にとって最も優先順位が高い目標、つまりその企業にとって何が重要課題(マテリアル)なのかを見極めるべきだとしている。また、企業報告はSDGs達成へのプラス面とマイナス面の双方を掲載すべきとし、報告の際には以下3つのステップを踏むことを提案している。

1. 自社にとって優先度の高いSDGs目標を特定する。
2. ビジネスの目標を設定し、情報開示方法とパフォーマンス分析を行う。
3. 報告と変化に向けた取り込みを行う。