2020年7月13日

企業がもたらす経済・環境・社会への影響に特化したサステナビリティ報告の基準(スタンダード)を提供するグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)と、主に財務面における企業のサステナビリティ報告ガイドラインを発行しているサステナビリティ会計基準審議会(SASB:Sustainability Accounting Standard Board)は、2020年末までに企業やステークホルダーが両基準を同時に使用しやすくするコミュニケーション・ツールの共同作成に着手することを公表した。

サステナビリティ関連の情報開示はその複雑さゆえに企業は多くの労力を割いており、報告の「明確さ」を求める声が世界中で高まっていることを示唆。この要求に応えるべく、GRIとSASBは、両基準を使用している企業数社の例や、そこから得られた教訓を提示すべく協力体制を敷いたという。また、報告書を作成する企業のみならず、サステナビリティ関連データの消費者にとっても、異なる作成基準による情報の類似点や相違点が理解できるように支援することを目的としている

両基準の「独立性」の重要さを指摘しつつ、今回の共同作業は両基準が将来的にどのように発展・設計されていくべきかを考える上で役立つという。両基準の異なる目的に対応し、マテリアリティに対する異なるアプローチを取りつつも、互換性のあるサステナビリティ報告基準になることを目指す。