2021年12月 1日

グローバル・レポーティング・イニシアチブ(GRI)と欧州財務報告諮問グループ(EFRAG:European Financial Reporting Advisory Group)は、生物多様性の新基準策定に向けた技術的作業に関して共同して取り組んでいくことを発表した。EFRAGはEUスタンダードの草案を2022年6月に、GRIは2022年後半に生物多様性基準(GRI304)の改訂を発表予定。GRIは、欧州のサステナビリティ報告基準(EU Sustainability Reporting Standards)開発における共同策定者としてEFRAGから任命された。GRI304の改訂では、生物多様性マネジメントの基準に世界のベストプラクティスを反映させ、企業が自社のインパクトに対処することをサポートするような基準とすることを目指している。

共同策定とは、EFRAGとGRIがそれぞれの技術専門家グループに参加し、情報共有及び作業計画・日程のすり合わせや調整を、可能な限り行うことを意図している。最も重要なのは、共同策定により、最新の政府間の合意事項やルールを踏まえることができ、ダブル・マテリアリティの観点からの検討が可能となり、マルチステークホルダーのコンセンサスが確保されることである。

GRI304は、GRIスタンダードにより毎年報告を行う1万社以上の企業のうち現在2,000社ほどが活用している。GRIが設立した独立の基準設定機関であるグローバル・サステナビリティ基準審議会(GSSB:Global Sustainability Standards Board)によりGRIの技術委員会には18のメンバーが選ばれている。技術委員会は、リオティント、DSMなどの企業やNGO、世界銀行などの投資機関に加え、労働関連の機関及び、CDPなどの中間的機関が含まれるマルチステークホルダーの構成となっている。