GRI、CSRDの解説資料を無償で公開
2024年5月15日
Global Reporting Initiative(GRI)は、2022年12月にEUで採択され、現在施行されている企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の要点をわかりやすくまとめた「CSRDエッセンシャルズ(仮訳)(CSRD Essentials)」を発表。政策立案者やサステナビリティ報告担当者向けの実用的な資料として、無償で公開している。
同資料の主なポイントは、以下の通りである。
- CSRDのスコープ、タイミング、既存規格との相互関係について概説している。
- 財務データと非財務データを組み合わせ、年次報告の中にサステナビリティを統合。一貫性とアクセスの観点から、デジタル報告も推進される。
- CSRDは、欧州気候法などの既存のEU規制と統合している。また、第三者によるサステナビリティ保証を義務付け、マテリアリティ評価に重点を置き、監査役の設置も求められる。
- 中小企業にもサステナビリティ報告を拡大し、中小企業向けに移行期間や簡素化された基準を設けている。
CSRDの下、EUに拠点を置く4万超の企業とEU外の数千の企業は、サステナビリティ課題が業績に与える影響および事業活動が社会や環境に与える影響についての報告が求められる。CSRDの施行によってサステナビリティ報告要件が増加し、より多くのデータ収集を行わなければならないことは、レポーティングを行う企業にとって負担となり得る。同資料は、報告対象企業がサステナビリティ報告書を作成する際の手引きとして活用できるものである。