2016年10月19日

GRIは、世界初の非財務情報開示に関する国際基準である「GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダード(GRI Sustainability Reporting Standards、GRIスタンダード)」を開始した。グローバル・サステナビリティ基準審議会(Global Sustainability Standards Board、GSSB)がまとめたもので、作成には企業、労働者団体、政府、投資家、市民団体、学界、サステビリティ専門家等、広範なステークホルダーが関与した。これまでサステナビリティ情報開示の枠組みとして広く使用されてきたGRIガイドライン第4版(G4)ガイドラインは、2018年7月1日に廃止される。

GRIスタンダードはG4ガイドラインに基いてまとめられているが、フォーマットが改定され、新しくモジュール構造が導入されている。同スタンダードは、マテリアリティ(重要性)の概念が中核となっており、各企業が大きな影響を与える側面やステークホルダーにとって重要な側面に焦点を絞って、柔軟に開示内容を決めることができる。GRIスタンダードは温室効果ガス、エネルギーや水の使用、労働慣行などのトピック別に分かれた36のモジュールで構成されているのが特徴で、必要に応じて個別に改訂できる。また、レポート作成の際にもコアレベル、総合レベル、個別トピックのみと、ニーズに合わせて適用できるようになっている。

投資会社役員の75%が投資判断に当たって企業のサステナビリティ・パフォーマンスを重視しているという調査結果があるが、より簡潔なGRIスタンダードの導入によりさらに多くの企業が非財務情報開示を簡単に行えるようになり、普及が進むと期待されている。GRIスタンダードはGRIサイトから無料でダウンロードでき、またG4からGRIスタンダードへの変更点を詳しくまとめた文書も用意されている。