2022年10月11日

ニュージーランドのアーダーン首相は10月11日、牧畜・農業分野の温室効果ガス(GHG)排出削減を目的とし、GHG排出に対して農家に課税する提案のコンサルテーション文書を公表した。GHG排出に応じた課税を農家レベルで行うことで同国の2030年メタン排出削減目標を達成する見込み。

アーダーン首相は、「このシステムによって徴収された税は農家に還元されるため、農家の経費削減に役立つ。研究や新技術、農家への奨励金の財源となるためさらなる排出削減効果を生み出す。世界初となるこのシステムによって、地球にやさしい牧畜・農業製品という付加価値によるプレミアム価格と輸出促進の効果も期待できる」と述べた。奨励金は農場で排出削減技術や手法を採用した農家に支払われる。

ショー気候変動相は、「牧畜・農業分野を排出量取引制度(ETS)スキームに組み入れると森林クレジットによるオフセットに頼る恐れがある。農家レベルで排出量を実際に削減することが重要。同じ課題を抱える国々は、ニュージーランドに気候変動のリーダーシップを期待している」とした。

徴収額の設定、移行支援、合成窒素肥料の税徴収先、炭素貯留の扱いなどの詳細について11月18日までパブリックコメントを募る。2023年に法案を議会に提出し、2025年1月1日の発効を予定している。