2016年9月 5日

中国・杭州で開催されたG20サミットが、首脳コミュニケを採択し閉会した。杭州コミュニケでは、目指す世界経済の実現において、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」やパリ協定などを考慮することに言及している。同コミュニケ文書ではパリ協定参加国が増えたことを歓迎するとともに、G20各国で批准手続きを進め2016年末までの発効に向けて努力することを明示した。

気候変動関連では、気候ファイナンスやグリーン・ファイナンスにも触れ、中国人民銀行とイングランド銀行が共同議長を務めるG20グリーン・ファイナンス研究グループ(GFSG)が提出した「グリーン・ファイナンス・レポート」を歓迎するとともに、同グループが開発したグリーン投資への民間資本参加を推進する施策についても歓迎する姿勢を示した。化石燃料助成制度の合理化と段階的廃止の必要性のついても確認し、G20各国が自主的に専門家によるレビュー(ピア・レビュー)を実施することを奨励した。

また、本サミットではあわせて、「持続可能な開発のための2030アジェンダに関するG20行動計画」も採択された。

世界資源研究所(WRI)は杭州コミュニケについて声明を発表し、2014年に世界合計5,500億ドルに達した化石燃料助成について、段階的廃止の期限設定に至らなかったことを指摘。しかし、ピア・レビュー実施の奨励は今後の方向性を示すものと評価した。またパリ協定については、サミットに先立って米国と中国が批准を発表し発効に向けて大きく前進したことを踏まえ、他国も早急に批准を進めるよう訴えた