2018年5月24日

欧州委員会(EC)は「サステナブル・ファイナンスのためのアクションプラン」に沿った初めての法制に関する立案を発表した。立案の主な内容は、以下の通りである。

1) EU統一の分類システム(タクソノミ):個々の経済活動がサステナブルであるかどうかを決定するための調和の取れた基準を策定する。既存の市場慣行やイニシアチブを考慮し、現在設立中の技術専門家グループのアドバイスをもとにECがステップごとに決定。

2) 投資家の義務と情報開示:機関投資家がESG要素を投資の意思決定プロセスに統合する方法に一貫性と透明性を与える。具体的な要件については、後の段階でECが採択する委任法令を通じて特定する。

3) 低炭素ベンチマーク:低炭素指標もしくは脱炭素指標とポジティブ炭素インパクト指標から成り、各企業のカーボンフットプリントを反映し、投資家のポートフォリオのカーボンフットプリントに関してより多くの情報を与える新しい指標を創設。

4) クライアント企業にサステナビリティに関するアドバイスを推奨:ECは、投資会社や保険代理店が個々の顧客企業にESGを考慮したアドバイスする方法についてコンサルテーションを開始した。金融商品に関する指令及び保険販売に関する指令の委任法令改正を目指す。

これらの立案は、次に欧州議会と欧州理事会がレビューし、合意に至れば2019年後半に立法され、その数か月後から施行される。1) タクソノミの議決は2022年までかかると見込まれ、4)投資アドバイスについては初めにパブリック・コンサルテーションが実施される。