フィッチ、格付判断を左右するESGファクターのインパクト測定手法を開発
2019年1月 7日
企業や政府について独自の信用格付情報を提供する、世界大手格付け機関のフィッチ・レーティングスは、ESGのファクター(要素)が格付けの決定にどのようにインパクト(影響)を与えるかを統合的に測る手法として「ESG関連性スコア(仮訳)(ESG Relevance Scores)」を新しく公表した。信用格付け機関として、格付けとESGとの関連性を体系的に整理した上で公表するのは初めてとなる。
同社の分析チームによって開発されたこのインパクトの測定手法は、産業分野ごとに、各企業のESGファクターの関係性とマテリアリティを判断基準に盛り込んでいる。同社は今回、全てのアセットクラスに渡り、金融関係以外の1,500社以上のスコアをホームページ上で開示した。今後、銀行や保険等を含む金融機関のスコア開示にも着手する。
同社のサステナブル・ファイナンス部門のグローバル責任者であるスティール氏は、「今回の調査で22%もの企業が格付けに際しESGファクターの影響を受けていることが判明したが、市場が先進国なのか新興国なのかといった地理的な違い、および産業別の違いを考慮する必要性があり、今後も投資家との間で議論を行っていきたい」、と述べた。
ちなみに、同社は2018年9月に国連PRIに署名しており、ESG課題を投資活動に盛り込み、よりサステナブルな世界金融の構築に寄与する決意を表明している。
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