ドイツ復興金融公庫、ESGについて「ベスト・イン・クラス」方式を採用
2017年6月15日
ドイツ復興金融公庫(KfW)は、国連が支援する責任投資原則(PRI)の署名機関として、投資活動にサステナビリティを組み込んでいる。2008年以降、流動性ポートフォリオに対しサステナブル投資を促すアプローチを採用してきた。
これまで同金融公庫は、投資対象について、外部のESG(環境・社会・ガバナンス)評価機関による審査にもとづき発行体のサステナビリティ・パフォーマンスを評価。そのうえで、3種のカテゴリーに分類し、評価の低い発行体については投資限度を10%または30%削減して設定するという「ネガティブ・スクリーニング」を実施してきた。目的は、資本市場参加者に対して、サステナビリティを事業活動に組み込むよう促すことであり、この結果、サステナビリティへの関心を高めることに成功した。
しかし2017年初めより従来の方式を大幅に見直し、今回、「ベスト・イン・クラス」(ポジティブ・スクリーニング)方式に変更することとした。これまでよりもさらに大きなインパクトを生み出すためである。セクターごとに評価結果を比較し、KfWは各セクターの上位80%の発行体の債券のみを投資対象に含めることとなった。ESGの評価は、引き続き、外部のESG評価機関(現在はサステナリティクス)が行っている。セクターごとにESGの各調査項目は異なる重みづけが用いられている。