2019年5月 1日

気候変動開示基準委員会(CDSB)と米国サステナビリティ会計基準審議会(SASB)は共同で、全世界のあらゆる産業セクター向けに、TCFDガイドライン遵守のための効果的なソリューションとなり得る実務ガイド「TCFD実務ガイド(仮訳)(TCFD Implementation Guide)」を公表した。

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、2017年6月に気候変動関連の財務リスクに関する情報開示のあり方に関する提言を公表し、600以上の機関が支持を表明していた。しかしながら、本提言の実施に際し、より実務に則した手引書が必要であるとの声が多くの機関から寄せられており、それを受けて今回実務ガイドが策定されたもの。

TCFDの提言に賛同している企業の多くは、すでに気候変動関連の情報を部分的には開示しているものの、この実務ガイドを活用することにより、産業内においての比較が可能となり、重要な財務影響と関連付けたより効果的な情報開示が可能になるという。

この実務ガイドは、企業報告に関する国際的な共同イニシアティブである「Corporate Reporting Dialogue(CRD)※1」において、企業が、投資家や社会に対して整合性のある報告を、より簡単に行えるよう、各種の基準間の整合性を整理するプロジェクトである「Better Alignment Project」の一環として実施されたもの。 情報開示の見本やグッドプラクティスとしての実例も掲載されている。

※1 CRDには、CDSBとSASBの他にCDP、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)、国際統合報告評議会(IIRC)、国際標準化機構(ISO)が参加している。