2021年9月 8日

サーキュラー・エコノミー(循環経済)への移行を目指す英NGOのエレンマッカーサー財団は、「自然の命題:循環経済は生物多様性損失にどのように対処できるか(仮訳)(The Nature Imperative: How the circular economy can help to tackle biodiversity loss)」を発表した。循環経済の枠組みによって、廃棄物や汚染をなくし、製品や材料を循環させ、自然を再生させることができ、生物多様性損失の根本的な原因に対処できると報告している。

報告書によれば、今日の生物多様性損失はその90%以上が、自然資源の搾取や加工過程によるもので、現在の製品や食料の生産、使用、消費のあり方を根本的に変革させる必要があるという。

循環経済が生物多様性にポジティブな効果をもたらすことが取り上げられている。

・廃棄物と汚染をなくす- 生物多様性への脅威を減らす(不要なプラスチック包装の排除や、再生・再利用を通じた使い終わった製品の再設計の実施など)
・製品や材料を循環させる - 生物多様性の余地を残す(バージン材料を減らし綿花栽培の農地を減らすなど)
・自然を再生させる - 生物多様性を維持する(生態系農業や林間農業の導入など)

また、気候変動開示基準委員会(CDSB)は、今月15日に「環境と気候変動に関連する情報開示のためのフレームワーク(仮訳)(Framework for reporting environmental and climate change information)」の補足書として「生物多様性ガイダンス(仮訳)(the Biodiversity Guidance)」草案を発表し、10月3日を期限としてパブリックコンサルテーションを行っている。企業の年次報告書における生物多様性関連の開示情報の品質向上を目的とするもので、同様のガイダンスは気候関連、水関連で公開されており、今回は3件目となる。