2020年2月12日

英国のエネルギー大手BPの新CEOバーナード・ルーニー氏は、遅くとも2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロを達成し、同時に、ネットゼロ世界への移行に貢献する目標を発表した。新たなパーパス(存在意義)として「人と地球のためエネルギーを再考する(仮訳)(Reimagining energy for people and our planet)」を掲げ、ネットゼロ企業になるため以下5つの目標に取り組む。

・遅くとも2050年までにBPの事業活動全体を絶対値ベースでネットゼロ化
・遅くとも2050年までにBPの石油・ガス生産を絶対値ベースで炭素ネットゼロ化
・遅くとも2050年までにBPが販売する製品のCO2排出原単位を半減
・2023年までにBPの主要石油・ガス精製所にメタン測定設備を導入し、石油ガス生産量に占めるメタンの排出量比率(methane intensity)を半減
・非石油・ガスへの投資の比率を徐々に引き上げ

また、ネットゼロ社会への移行促進のため以下の5目標を掲げている。

・カーボンプライシングなどネットゼロを推進する政策を積極的に提唱・支持
・排出量削減目標に対して従業員へ動機付けを行い、ネットゼロの提唱を後押し
・業界団体との関わり方を見直し、気候変動に対するBPの姿勢を明確に示す
・TCFD提言を支持し、情報開示の透明性確保を率先
・国、都市、大企業の脱炭素化を支援するチームを新たに立ち上げる

なお、現在BPの事業活動における温室効果ガスの排出量は世界全体で年間5,500万トン(CO2換算)、BPが生産する石油・ガスに含まれる排出量は3億6,000万トンにおよび、あわせて約4億1,500万トンとなっている。BPは今後、現在の縦割り事業部体制の抜本的な組織改編を実施し、社内の統合を高める。9月には資本市場向けに、企業戦略と短期計画について説明会を開催するとしている。