2024年9月 5日

人工知能と人権、民主主義、法の支配に関する欧州評議会枠組み条約(仮訳)(Council of Europe Framework Convention on Artificial Intelligence and Human Rights, Democracy and the Rule of Law)(CETS No.225)の署名が開始された。本条約は、AIシステムの使用が、人権や民主主義、法の支配と完全に一致するように求める、AIに関して法的拘束力のある世界初の国際条約となる。

本条約は、AIシステムのライフサイクル全体を対象とする法的枠組みを提供する。AIの進歩とイノベーションを促進しつつ、人権や民主主義、法の支配に与えうるリスクを管理する。長期的視点から、技術的には中立である。

2024年5月、欧州評議会の閣僚委員会で本条約は採択され、条約交渉には欧州評議会の46の加盟国と欧州連合に加え、日本を含む11の非加盟国が交渉に参加した。また、民間セクターや市民社会、学者がオブザーバーとして参加していた。

本条約は、欧州評議会の加盟国のうち少なくとも3カ国を含む、5カ国の署名国が批准した日から3カ月経過後の翌月1日に発効される。条約への署名や条項遵守は、欧州だけでなく世界中の国々に開かれている。