2020年9月 2日

ユニリーバ、アディダス等26の企業・団体(年間売上高総額3,500億ユーロ)は、EUにおける人権・環境デュー・ディリジェンス(DD)の法的義務を求める共同声明を発表した。

欧州委員会(EC)は今年初め公式な「持続可能なコーポレート・ガバナンス」イニチアチブを立ち上げ、デュー・ディリジェンスの法制化に向けて取り組んでいく意向を明らかにしている。仏、独、オランダなどの国々ではすでに導入、または議論されているほか、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)、OECD多国籍企業行動指針等が示す企業責任に沿ってデュー・ディリジェンスのプロセスを実施するための措置をすでに講じている企業もある。しかしながら、より多くの企業が潜在的または実際的な人権・環境リスクについて対応と報告を行っていく必要があるとし、法制化の必要性を訴えている。さらに、この法制化は新型コロナウイルス(COVID-19)からの復興政策においても重要な役割を果たすとしている。

人権リスクには、投資機関も注目している。2020年8月にはノルウェー政府年金基金(運用資産1兆ドル)が、人権侵害を理由に、台湾企業2社と、インドの企業1社をそのポートフォリオから除外すると公表している。