2017年7月26日

英国、フランスが2040年までに国内で販売されるガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止し、全面的に電気自動車を推進する方針を明らかにした。欧州の自動車市場は、電気自動車時代に向かって大きな転換点を迎える。

7月6日、フランスのニコラ・ユロ環境連帯移行大臣は、パリ協定を遵守し、推進していくための新たな「Plan Climat (気候計画)」を発表し、2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を全廃するとの方針を示した。電気自動車の普及を推進し、ディーゼル車やガソリン車からの買い替えを促進するための税制優遇措置の導入などが打ち出されている。また同「気候計画」では、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指し、温室効果ガスの排出権取引などを通じて排出量の削減を進めていくとしている。大規模なエネルギー政策の転換などをはじめ、環境や気候変動問題に対応していくための革新的な目標と、社会全体の大胆な変革が示されており、仏マクロン首相によるパリ協定の遵守と推進に向けた強いコミットメントが表れた形となっている。

フランスに続き、7月26日に2040年までに国内で販売される全てのガソリン車、ディーゼル車の販売を全廃すると発表した英国だが、その背景は大気汚染の改善と、それに伴う医療費の抑制である。英国では、過去15年間で大気中の二酸化窒素(NO2)濃度は約半分にまで減ってきているが、未だに道路周辺などの幾つかの地点では、汚染レベルが高い状態が続いている。こうした深刻な大気汚染問題に対応すべく、英国政府は来年度には包括的なクリーンエア戦略を打ち出す予定である。