2017年5月 8日

世界の主要な投資家280機関(資産総額は17兆ドル)が署名し、G7及びG20諸国政府に対して、気候変動対策の推進を求める書簡を送付した。責任投資原則(PRI)、CDP、セリーズなどがコーディネートした。

書簡は各国政府に対して、パリ協定の国別削減目標(NDCs)を実現するための政策を早急に講じるよう求めている。また、パリ協定が目指す、世界の気温上昇を産業革命前から2℃より十分に低いレベルに抑え、さらに1.5℃までに抑えるよう務めるという目標と整合性のある、NDCsに沿った長期的な気候対策計画を策定するよう求めている。

気候変動に関する政策メカニズムが効果的に実施され、定期的にモニタリングされることは、的確な情報に基づいた投資判断を行う上で重要であると述べたうえで、2017年7月にドイツで開催されるG20首脳会議において気候変動問題と、持続可能なエネルギー供給及びエネルギー効率化の推進が優先課題とされることを歓迎するとしている。一方、2017年3月のG20財務相会議のコミュニケで、気候変動に関するテーマへの言及が省かれたことについて懸念を表明し、ドイツにおけるG20サミットでは、明確な気候変動対策を打ち出すよう求めている。

官民両セクターが協力して、気候変動対策のために必要な数兆ドルの資本をグローバル経済全体で誘導するためのシグナルとインセンティブを示すことが特に重要であると説き、そのために、低炭素社会に向けた投資を支援する政策フレームワークが必要であるとしている。

そのうえで、各国政府に対して次のことを求めている。
1) パリ協定を支持し、NDCsと2050年に向けた計画を実行すること
2) 気候変動関連政策、化石燃料への助成金の廃止、適切な炭素価格制度を通じて低炭素社会への転換を推進すること
3) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言なども取り入れて、気候変動に関連する財務報告フレームワークを実施すること