こんにちは。イースクエア代表の本木啓生です。

日本が温室効果ガス削減目標の3月末までの国連への提出を見送ったというニ
ュースが今朝ありましたが、今年は、気候変動に関して2020年以降の世界の枠
組みを決める大切な年となっています。12月にパリで実施されるCOP21において
米国、中国などの温室効果ガス主要排出国を含むすべての国を対象とした法的
拘束力のある気候変動の枠組みを決めるという、これまでなし得なかった目標
が掲げられています。

そのような中、明るいニュースも流れてきました。世界経済が3%成長する中、
2014年のエネルギー由来のCO2排出量が前年と同じ323億トンだったと
いうことです。経済成長をする中で排出が横ばいまたは減少というのは過去40
年間で初めてのことだそうです。国際エネルギー機関(IEA)によると、中国
で石炭火力発電に代わり、水力、太陽光、風力による再生可能エネルギーの導
入が飛躍的に進んだことや、OECD諸国でのエネルギー効率化や再生可能エネル
ギーの導入などの持続可能な経済成長に向けた取り組みなどが功を奏し、エネ
ルギー消費のパターンがこれまでとは変わってきたことに起因すると説明して
います。

これまでの増加の一途をたどってきた世界全体のCO2の排出推移を見ると、
この増加傾向を逆転させることに対してはかなり悲観的な思いもありま
したが、このニュースには勇気づけられました。経済成長とCO2排出の
デカップリングがいよいよ現実のものとなったわけです。

もう一つの明るいニュースは、メインストリームの長期運用の投資家がESG
(環境・社会・ガバナンス)を投資判断の基準として当たり前のように取り入
れ始めようとしていることです。世界各国のサステナブル投資フォーラム(SIF)
が調査協力をするGlobal Sustainable Investment Review(GSIR)2014の発表に
よると、サステナブル投資全体の規模が2012年から2014年の間に1.6倍の約21.
4兆ドルへと成長し、集計対象となった国や地域の全運用資産額に占める比率
は30.2%へと拡大しました。サステナブル投資の中でも、ESG投資に分類させる
カテゴリーは約2.2倍の12.9兆ドルと大躍進を遂げており、この拡大傾向は今後
も継続するものと思われます。

イースクエアは創業以来、持続な可能な社会に向けいち早く舵を切るため、様
々な企業に対してカスタムメイドの支援をしてきました。この10年間で、今ほ
ど企業の本業と連動したCSR/サステナビリティが本格的に求められている時
はありません。暗雲立ち込める課題山積の今だからこそビジネスの力が試され
ようとしているのです。


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◇◆ 目次
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〔1〕注目CSRニュース - 「温室効果ガス削減と
                 再生可能エネルギー使用拡大に向け米大統領令」

〔2〕セミナー案内 - 新任担当者・責任者にお勧め
             「CSR経営のための速習セミナー」

〔3〕サービス紹介 - ESG情報開示支援
          
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〔1〕注目CSRニュース - 「温室効果ガス削減と
                  再生可能エネルギー使用拡大に向け米大統領令」

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このコーナーでは、企業のCSR担当者向け情報サイト、「CSRコンパス」
http://www.csr-compass.jp
から注目ニュースをピックアップしてご紹介します。


今回取り上げるニュースは、「温室効果ガス削減と再生可能エネルギー使用拡大
に向け米大統領令」です。


------<CSRコンパスの3月のニュースから転載>--------------------------

米オバマ大統領は、今後10年間で連邦政府の温室効果ガス排出量を2008年比で
40%削減し、連邦政府の消費電力の再生可能エネルギー比率を30%に引き上げる
という大統領令に署名した。連邦政府は米国最大のエネルギー消費者であり、
削減により180億ドルの税支出が節約できるという。さらに大統領令は連邦政府
省庁に対し、クリーンエネルギー比率の拡大、連邦政府庁舎の省エネや節水、
公用車による温室効果ガス排出量削減について目標値を規定している。

またホワイトハウスは、IBM、GE、ハネウェル、HPなど連邦政府への大口サプ
ライヤー14社を集めた円卓会議を開催し、サプライチェーン全体における温室
効果ガス排出量削減について討議した。会議では、IBMが2020年までの達成目
標として二酸化炭素排出量の2005年比35%削減と電源の再生可能エネルギー比
率20%達成を打ち出すなど、参加各社の目標が発表された。政府対策と各社の
目標を合わせると、2025年までに温室効果ガスを2008年比で2,600万トン削減
できるという。また、連邦政府へのサプライヤーの排出量情報公開や削減目標
設定の状況を可視化するスコアカード導入を発表した。


------<転載ここまで>------------------------------------------------

温室効果ガスの削減に前向きなイメージがあまりなかった米政府ですが、実は
削減に向けて地道な取り組みをしている、というニュースです。

京都議定書では温室効果ガスの大排出国である米国、中国の不参加が大きな欠
陥だと指摘されることがよくありましたが、温室効果ガスの削減には大口排出
先を特定し、優先的に対策を取ることが効果的です。

米国はまず連邦政府という最大の大口排出先から対策を始め、大口サプライヤ
ーに対しても取り組みを求めていくという作戦を採りました。

ホワイトハウスのホームページには、大口サプライヤーを対象とした温室効果
ガスマネジメントのスコアカードが載っており、温室効果ガス排出量の公開、
削減目標の設定で各社を評価しています。
https://www.whitehouse.gov/administration/eop/ceq/initiatives/sustainability/supplier-GHG

興味深いのは、連邦政府の調達金額の順に企業が並んでいるということです。
上位に名を連ねているのは防衛産業の大手ですが、こういった形で競合と並べ
られると各社にとっては大きなプレッシャーでしょう。

こういった米国の動きは今後よく見ていく必要があります。


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〔2〕セミナー案内 - 新卒担当者・責任者にお勧め
            「CSR経営のための速習セミナー」
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 対 象: 企業においてCSRを推進される方(責任者、実務担当者)
       ※新たにCSR関連部署に配属となった方に最適です。

 日 時: 【理解編】2015年4月23日(木)10:00~17:30
       【実践編】2015年5月21日(木)10:00~17:30

 参加費: 理解編のみ:37,000円(税込)
       理解編と実践編:64,000円(税込)

 申込締切: 4月15日

より詳しい内容やお申し込み方法はこちらをご覧ください。
https://www.e-squareinc.com/reports/pub_pdf/CSRseminar201504.pdf


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〔3〕サービス紹介 - ESG情報開示支援
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ここ数年、日本国内でも、企業が事業継続を通して長期的に企業価値を高めて
いくためには、環境(E)・社会(S)に企業が与える影響を考慮した事業活動、
また、企業の健全性と成長性を担保するガバナンス(G)の構築の重要性が再
認識されてきています。

この背景には、企業にとって重要なステークホールダ―である長期保有を前提
とした投資家が、企業のESGに関する情報を投資行動に反映する動きが拡大し
てきていることがあります。

イースクエアでは、昨年より、代表的なSRIインデックスであるFTSE4Goodの政
策委員および基準小委員会のメンバーである荒井勝氏を特別顧問として迎え、
上場企業のCSR・IR部門の方々に対して、企業価値を高めるESG情報開示のあり
方についての情報提供・支援を行っています。

今回は、その中から「ESG情報開示分析」についてご紹介します。

1. 投資家が求めている情報の特定
複数のESG評価機関と連携し、それぞれの評価機関が投資家に発信している評価
結果の分析を行い、対象企業のESGへの取り組み、および、ESG情報開示の現状・
特徴を整理する支援を行っています。この分析により、投資家が求めている情
報が特定され、自社のESG情報開示の「強み」「弱み」が明らかになります。

2.ESG関連情報の効果的開示手法の提案
ESG評価機関から自社のESG活動を正当に評価されるためには、ESGに関する取り
組みの内容だけでなく、それをどのように、どこに、いつ開示するかも重要に
なってきます。イースクエアでは、対象企業のベンチマークのESG評価・情報
開示なども参考にし、ESG関連情報の開示手法についてもアドバイスを行って
います。

詳細は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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【編集後記】
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富士フイルムホールディングス(株)が第18回環境コミュニケーション大賞の
「審査委員会特別優秀賞」を受賞されたというニュースが先日ありました。
http://www.fujifilmholdings.com/ja/whatsnew/2015/0305_01_01.html

同社の3月5日付プレスリリースに授賞理由が書かれていましたので、抜粋して
引用します。

「マテリアリティの特定について詳細なプロセスや基準が述べられており、そ
こに第三者が関与するなど客観性がある。また、事業との統合志向の傾向が感
じられる点で一歩進んだレポートであると評価できる。中長期ビジョンも設定
しており、将来的なあるべき姿を明示している。バリューチェーンの考え方も
グループ全体で取り組んでおり、バリューチェーンを含む報告が日本の中では
トップレベルに達していると思われる。」

同社の報告書に社名をご記載頂きましたので、お知らせできるのですが、実は
マテリアリティの特定などのプロセスはイースクエアがご支援させて頂きました。
(下記ページに記載があります)
http://www.fujifilmholdings.com/ja/sustainability/valuePlan2016/process/index.html

歴史あるフイルム事業からの業態シフトに成功し、好調な業績が伝えられる同
社ですが、マテリアリティ評価で重点化した「環境」「健康」「生活」「働き
方」の4分野の社会課題解決に全社を上げて取り組む、という新たな挑戦に今後
も注目していこうと思います。


東京はいま桜が見頃を迎えています。青空に映えるピンク色の花を見ていると
幸せな気持ちになります。イースクエアの事務所近くには増上寺や愛宕山など、
桜の名所がいくつかあります。

明日は仕事が終わった後に社員皆で花見をし、中国人インターン生、汪さんの
指導の下、本格的な水餃子を手作りして楽しむ予定です。

もしお時間のある方は19時以降にイースクエアの事務所に遊びにきてください。
熱々の水餃子を味わえるかもしれません。(担当:柳田)

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