こんにちは。イースクエア代表の本木啓生です。

日に日に暖かさが増し、そよ風が心地よい季節となりました。
しばらく間が空いてしまいましたが、イースクエアのメルマガをお届けいたし
ます。

アップルはイノベーティブな製品・サービスにより世界の人々を魅了し続けて
いますが、グリーンカンパニーとしても一歩先に行こうとしています。英メデ
ィアのガーディアンなどによると、今年2月28日に開催された同社の株主総会
において、再生可能エネルギーの割合を高めていることを問題視した株主らに
対し、ティム・クックCEOは次のように発言しました。

「我々は、利益以外の目的でもたくさんのことを行っている。我々が出会った
ときの世界よりも、さらに良い世界を残したい。そうした姿勢に反対なのであ
れば、アップルの株から手を引くべきだろう」

投資対効果(ROI)のみで判断することに反対を表明したほか、このような取り
組みは経済的にも十分に意味があることだとクック氏は指摘したそうです。

現在、アップルの各施設の電力は、3/4以上がソーラー、風力、水力、または
地熱発電により賄われていますが、クック氏がCEOに就任した際には約1/4だ
ったいうことなので、再生可能エネルギー比率が急速に高まっていることが分
かります。このほかアップルは、昨年2013年にはEPA(連邦環境庁)のトップだ
ったLisa Jackson氏を環境責任者として迎え入れるなど、環境分野の取り組み
を強化しています。

かつて厳しくアップルを批判していたグリーンピースですが、最近発表したIT
企業のランキングでのアップルの順位は"Green Internet Innovators"とし
てNo.1に輝いています。

アップルのクックCEOのように、長期視点で見たときにサステナビリティの取
り組みと企業価値を向上させていくという方向性は同一であることに気づく経
営者が増えています。コスト低減や事業機会の発掘のみならず、グローバルNG
Oなど多くのステークホルダーも味方につけることができます。

イースクエアでは、CSV、環境、人権、BOP、サプライチェーンなど企業のニー
ズに応じて、様々なテーマでの支援をしています。全てに一貫しているのは、
社会のサステナビリティと顧客企業の企業価値の向上の両輪の視点を持って、
アドバイスさせて頂いていることです。

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◇◆ 目次
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〔1〕注目CSRニュース - 「温暖化の日本への影響に関する報告書を発表」 

〔2〕オルタナCSR monthly寄稿記事紹介 - 「社会貢献活動を評価する意義」

〔3〕CSRお悩み解決 - 「人権デューデリジェンス導入に向けた現状分析・あるべき姿の検討」

〔4〕寄稿記事紹介 - 「BOPビジネス ~その基本から実践におけるポイント~」

〔5〕コンパスプラス - 「CSR部門に異動されてきた方にお勧め『CSR速習セミナー』5月開催」

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〔1〕注目CSRニュース - 「温暖化の日本への影響に関する報告書を発表」
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このコーナーでは、企業のCSR担当者向け情報サイト、「CSRコンパス」
http://www.csr-compass.jp
から注目ニュースをピックアップしてご紹介します。

今回取り上げるニュースは、「温暖化の日本への影響に関する報告書を発表」です。

<CSRコンパスの3月のニュースから転載>--------------------------------

日本における温暖化の影響リスクはどうなるのか、リスク低減に適応策はどの
程度有効かといった問いに答える「温暖化影響評価・適応政策に関する総合的
研究」の成果が発表された。報告書には、環境省の資金提供により、4年間に
わたり、茨城大学、国立環境研究所など28機関、93名の研究者が参画して行っ
た研究成果がまとめられている。

本プロジェクトの目的は、地域ごとの影響を予測し、適応策を支援することで
あり、12のサブテーマにより、主に次の3つの分野に取り組んでいる。

1、日本全国及び地域レベルの気候予測に基づく影響予測と適応策の効果の検討
2、自治体における適応策を推進するための科学的支援
3、アジア太平洋における適応策の計画・実施への貢献

本研究では、IPCCの新たな濃度シナリオであるRCPシナリオに基づき、21世紀
半ば(2031-2050)と21世紀末(2081-2100)での、日本への影響を予測してい
る。21世紀において、温暖化は、国民の健康と安全・安心、国民の生活の質と
経済活動、生態系など幅広い分野に影響を及ぼすとしている。例えば、洪水被
害については、1981-2000年と比較して21世紀末にはその被害額が3倍程度に拡
大する可能性があるという。また、熱ストレスによる死亡リスクは、適応策が
とられない場合、ほぼ全県において2倍以上になるという。

今後の気候変動リスクに対処するためには、温室効果ガス排出削減などの緩和
策に加えて適応策も不可欠であると報告書では強調している。また、「ハード、
ソフト両面における分野ごとの適応策の体系化とその効果の評価」などを今後
の課題として掲げている。

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CSRコンパスでは「IPCC、第2作業部会報告書を発表」というニュースも取り上
げましたが、この報告書は日本国内向けのものです。

報告書を読むと、地球温暖化は気象災害、熱ストレスなどの健康影響、水資源、
農業への影響、生態系の変化などを通じて国民生活に大きな影響を与える可能
性があることが分かります。また、この報告書には地球温暖化に対する適応策
も紹介されています。

報告書は、

「世界規模で緩和策が進めば、日本における悪影響も大幅に抑制できる。その
場合でも、適応策を講じないとほとんどの分野において現状を上回る悪影響が
生じると考えられる。そのため、今後の気候変動リスクに対処するためには、
緩和策と適応策の両方が不可欠である。」

としており、地球温暖化による悪影響が今度出ることを想定し、その悪影響を
抑えるための適応策を講じることの重要性を説いています。

企業としては、省エネや再生可能エネルギーへの取り組みといった緩和策を進
めつつ、適応策にも着々と手を打っておくことが求められていますが、具体的
に何をすればよいか分からない、という企業もまだ多いようです。

そこでイースクエアでは、IPCC第5次評価報告書 第2作業部会(影響・適応・
脆弱性)の統括執筆責任者として、報告書作成に携わられた国立環境研究所の
肱岡靖明氏をゲストにお迎えし、6月にTFNおよびCSRコンパスの会員様向けに
セッションを行う予定です。

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〔2〕オルタナCSR monthly - 「社会貢献活動を評価する意義」
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イースクエアでは、オルタナが毎月発行しているニュースレター「CSR month
ly」に寄稿を行っています。このコーナーでは、オルタナ編集部の許可を得て
寄稿文をご紹介します。

 「社会貢献活動を評価する意義」
  イースクエア 平井 加世

社会貢献活動の評価に関し、その課題の中心として挙げられるのは、「KPIの
設定」「情報収集のレベル」「第三者の関与」など、取り組みの実績に関する
情報をどのように集め、フィードバックをしていくか、といったものである。

そもそも「評価する」とは何だろうか。意外にその定義についてはきちんと理
解されていないことが多い。実は世の中には「評価学」というものがあり、そ
の評価研究の第一人者と呼ばれる米国のマイケル・スクリヴェン氏は、評価の
定義について「評価とは、体系的かつ客観的に、物事の意義、値打ち、あるい
は重要性を明らかにすることである」とし、また「評価は社会の改善活動であ
る」と述べている。

この定義を初めて聞いた時、私は、これまで自分自身が使っていた「評価」の
言葉の意味を振り返ると同時に、頭の中がとてもスッキリと整理された気がし
たのを覚えている。当たり前のことだが、情報の収集、計測、調査によって事
実を特定することだけではなく、それにより何らかの価値判断をし、次への改
善につながってこそ「評価」と呼べるのである。スクリヴェン氏の定義はその
要点をしっかり押さえている。

・・・以下全文は下記PDFをご覧ください。
https://www.e-squareinc.com/reports/pub_pdf/CSRmonthly_vol18_ES.pdf

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〔3〕CSRお悩み解決 -
     「人権デューデリジェンス導入に向けた現状分析・あるべき姿の検討」
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このコーナーでは、CSR/サステナビリティの分野で寄せられたご相談とそれに
対するイースクエアのご支援内容(解決策)をご紹介します。皆さまのお悩み
解決のヒントになれば幸いです。

◆ご相談内容 「人権デューデリジェンス導入に向けた現状分析・あるべき姿の検討」

A社では、早くから人権尊重を謳い、全社方針に人権を盛り込んだり、人権分
野の有識者と経営層とのダイアログを実施するなどしてきました。「企業と人
権」分野への国際的関心が高まる中、組織横断的に社内の連携を図りながら取
り組みを進めていく必要性を感じ、人権デューデリジェンスの導入に向けて、
自社の現状分析を行い、今後のあるべき姿を検討したいとのご相談をいただき
ました。

※人権デューデリジェンスとは
企業活動あるいはその取引関係を通じた人権への負の影響を特定し、防止し、
軽減し、対処するためのプロセス。以下の内容が実施されることが一般的。
・人権方針の策定
・バリューチェーンにおける実際および潜在的な人権影響の評価
・企業文化やマネジメントシステムへの融合(苦情処理メカニズム等を含む)
・モニタリングの実施、外部ステークホルダーへの説明

◆イースクエアのご支援内容

まず、社内の人権関連の既存方針文書について、グローバルで求められている
レベルとのギャップ分析を行いました。あわせて、既存の文書とは別に、組織
の核となる人権方針を新たに策定することをご提案し、グローバルの要求レベ
ルや先進他社の事例などをもとに、方針に盛り込むべき項目をまとめました。

また、日々の業務遂行における課題を明らかにするため、人権デューデリジェ
ンスの導入を意識した形で、関連する部署にヒアリングを実施、あるべき組織
体制の形についてもご提案しました。

さらに、方針作成と業務遂行の両方の観点をテーマに、人権の専門機関のトッ
プとのダイアログを開催し、今後取り組みを進めていくうえでの貴重なヒント
を得ました。

プロジェクトの最後には、イースクエア担当者が同席する中で、本プロジェク
トの報告書を各部署のキーパーソンと共有する場を設定しました。グローバル
での要求レベルを踏まえたうえでの課題認識、進むべき方向が部門を超えて共
有され、人権デューデリジェンスの導入に向けた大きな一歩となりました。

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〔4〕寄稿記事紹介 - 「BOPビジネス ~その基本から実践におけるポイント~」
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製造業向けの戦略コンサルティングや人材育成などに強みを持つ株式会社ニュ
ーチャーネットワークス様のWebマガジン「グローバル・エイジ」にイースク
エアスタッフによる寄稿記事が掲載されましたのでご紹介します。イースクエ
アでは、途上国・新興国におけるBOPビジネス立ち上げの支援を行っています
が、この記事ではこれまでの支援実績を踏まえた実践のポイントをご紹介して
いますので、ぜひご覧ください。

 「BOPビジネス ~その基本から実践におけるポイント~」
  イースクエア 田村 賢一

日本でのBOPビジネスの認知度は、2010年のJICA、経済産業省など公的機関に
よる支援の開始を一つの契機に、急速に広まりつつある。筆者も、2011年から
ナイジェリア・インド・バングラデシュ・ブラジルなどの新興国・途上国でビ
ジネスの立ち上げに携わっているが、各国を訪れるたびにその発展のスピード
と多様性に驚かされている。BOPビジネスのとらえ方も、当初の文脈であるBOP
層を消費者としてとらえ、廉価な商品を開発・販売するという流れから、BOP
層を事業パートナーとしてとらえ、ビジネスの設計段階から包含していく考え
方が注目を集めている。

・・・続きはこちら
http://www.nuture.co.jp/archives/globalage/globalage-1839

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〔5〕コンパスプラス -
    「CSR部門に異動されてきた方にお勧め『CSR速習セミナー』5月開催」
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「コンパスプラス」はイースクエアスタッフによるブログです。
その中から注目記事をピックアップしてご紹介します。

 「CSR部門に異動されてきた方にお勧め「CSR速習セミナー」5月開催」

異動の多い春、皆さんの部門でも人事異動はありましたでしょうか?

毎回ご好評頂いているCSR速習セミナーを今年も5月に実施いたします。
本セミナーは、新任のCSR責任者およびご担当者、あるいは体系立ててもう一
度CSRの全体像をとらえ直したい方にお勧めです。

理解編では、CSRの全体像や世界動向、CSR部門の役割について理解を深め、
実践編では、戦略的にCSRを企画・推進するためのノウハウと実践力を身につ
けて頂けるプログラムとなっています。

これまでに60社以上にご受講いただき、
「CSR担当者にとって必要なことが1日で凝縮して学べる」
と高い評価をいただいていす。

・・・続きはこちら
http://www.csr-compass.jp/member/plus/omori/csrcsr5/

「コンパスプラス」では、他にもブログ形式でスタッフが情報を随時掲載して
います。ぜひご覧ください。

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【編集後記】
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3月に出張でケニアに行ってきました。日本の発酵技術を使って現地で栄養食
品を作る事業のフィージビリティ・スタディのためでした。現地では色々な発
酵食品を味わう機会があったのですが、私がとりわけ興味を引かれたのは、ム
ルシク(mursik)と呼ばれる牛乳を発酵させた飲み物でした。牛乳は常温で放
っておくとすぐに腐ってしまいますが、発酵させることで日持ちがするように
なるほか、現地の人たちが好む酸味も増え、栄養価もアップするのだとか。ム
ルシクは、今回調査に行った地域では一般家庭で作られているほか、飲食店で
も手軽に飲むことができる、地元民に愛されている食品です。

街の小さなムルシク屋さんで飲んでみたところ、なかなかの味です。作り手の
お母さんに聞くと、作り方は至って簡単。牛乳を沸かして殺菌した後、冷まし
てからムルシク用のひょうたんに入れて時折ゆすって撹拌すればいいというの
です。

がぜん興味を引かれ、市場でムルシク用のひょうたんを手に入れ、スーツケー
スに入れて意気揚々と日本に持ち帰ってきました。日本で早速沸かした牛乳を
冷まして、ひょうたんに入れ、時折ゆすって待つこと3日。見た目は現地で飲
んだムルシクのようなものができたのですが、味見をしてみると、明らかに危
険な味。どうも発酵がうまくいかなかったようです。涙をのんで捨てました。

「魔法のひょうたん」の魔力は日本では通用しないのか。次回の現地訪問の際
にはもう一度ムルシク屋さんに教えを請うてみようと思います。
(担当:柳田)

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