こんにちは。イースクエア社長の本木啓生です。

9月16日、日本の年金基金管理運用独立行政法人(GPIF)が、国連責任投資原
則(PRI)に署名しました。運用資産額約141兆円という世界最大の年金基金で
あるGPIFが、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を考慮した投資を実施
していくという意思を表明したことは大きな意味を持ちます。

昨年来の日本版スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コード
の導入に続き、いよいよ日本の企業も自社のESGの取り組みについて、投資家を
含むステークホルダーと体系的な情報開示を通した積極的な対話をしていく
ステージが整ったと感じています。

国連責任投資原則(PRI)のボードメンバーであるイースクエア特別顧問の荒井
勝氏は、「これまでの日本の企業または投資家サイドのESGへの取り組みは、
欧米に比較するとまだまだ遅れている」とよくおっしゃいます。また、投資家
からESGのことについて聞かれたことは一度もないという企業IR部門の方々の
声もよく聞きます。

しかし、今後は日本においても、投資家とのエンゲージメント(目的をもった
対話)の中でESGが重要な役割を果たすようになり、積極的に情報開示に取り
組む企業が増えてくるでしょう。

投資家が重要視するESG視点は、企業が中長期的に価値を創造し続ける上でリ
スクとなりチャンスとなると考えられている要素の反映です。投資家が各要素
を注視する背景には、国際社会や法規制の動向、市民やNGOの関心事などがあり
ます。ESG視点は、単に「開示が求められている」というだけなく、企業経営
の基盤を強化する上での重要な示唆として捉えることもできます。

10月も後半に入ったいま、今年度の統合レポートやCSRレポートを発行し終わっ
た企業も多いことでしょう。次の報告書制作が始まる前のこの数ヶ月を使って、
自社の現状を改めて分析し、中長期的なCSR経営および情報開示のあり方を検討
されてはいかがでしょうか。


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◇◆ 目次
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〔1〕注目CSRニュース -
「石炭投融資からの撤退を誓うパリ・プレッジに6銀行が署名」

〔2〕CSRコンパス 研修向けコンテンツのご紹介

〔3〕CSRお悩み解決 -
     「ESG情報開示における現状分析・改善策の立案」

〔4〕TFN 海外スタディ・ツアーのご紹介

〔5〕CSVに関するワークショップ開催のご報告

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〔1〕注目CSRニュース -
「石炭投融資からの撤退を誓うパリ・プレッジに6銀行が署名」
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このコーナーでは、企業のCSR担当者向け情報サイト、「CSRコンパス」
http://www.csr-compass.jp 
から注目ニュースをピックアップしてご紹介します。

今回取り上げるニュースは、「石炭投融資からの撤退を誓うパリ・プレッジに
6銀行が署名」です。

------<CSRコンパス9月のニュースから転載>--------------------------

民間金融機関を監視する国際NGOネットワークのバンクトラック(BankTrack)
が提唱する、採炭や石炭火力発電など石炭産業への投融資撤退を誓う金融機関
の「パリ・プレッジ(Paris Pledge)」に、銀行6行が初めて署名した。

本プレッジは、投融資によって石炭産業を支える金融機関の役割を問題視して
提唱された。署名したのはASN銀行(オランダ)、Banco Fie(ボリビア)、
Ekobanken(スウェーデン)、New Resource Bank(カリフォルニア)、
Ethikbank(ドイツ)とUmweltbank(ドイツ)。

6行とも既に石炭投融資を避けているが、今後もその方針を継続し、再生可能
エネルギーやエネルギー効率化への投融資を支援するとコミットメントを表明
した。

11月から開催されるパリ国連気候変動会議(COP21)では、地球平均気温の上昇
を摂氏2度未満に抑えるための新たな国際気候合意の締結を目指している。

石炭は化石燃料由来の温室効果ガス排出量中44%を占めるが、石炭産出量は20
00年以来69%増加して年79億トンにもなっており、2010年1月以来、世界2,177
ヶ所で石炭発電所が建設計画中または建設中であるという。

バンクトラックの調査によると、2005年-2014年4月までに世界の93の銀行が合
計5,000億ドル以上を石炭産業に投融資したといい、しかも石炭投融資は増加
傾向にある。

パリ・プレッジは、全ての銀行に対してCOP21開催前に石炭投融資の段階的廃止
を誓うよう求めるもので、今年7月に本キャンペーンが立ち上げられて以来、
世界中の100を超える団体、1,100人以上の個人の支持を受けている。

------<転載ここまで>------------------------------------------------

最近気候変動問題に関連してダイベストメント(divestment)という言葉をよ
く聞くようになりました。fossil fuel divestmentとも言われ、化石燃料を扱
う企業からの投融資の引き揚げを意味する言葉です(インベストメント(inve
stment):投資の反意語)。

古くはアパルトヘイト時代の南アで操業する企業、そしてたばこメーカー、武
器メーカーなどがこれまで投融資引き揚げキャンペーンの対象になってきまし
たが、ここへきて気候変動を悪化させるとみられている化石燃料企業からの投
融資引き揚げを呼びかけるキャンペーンが欧米で盛んになってきています。

キャンペーンの中心となっているのは国際NGO「350.org」(本部:米国)。
危険な気候変動を避けるためには大気中のCO2濃度を「350ppm」に抑えるべき
との主張から名づけられた団体です。
http://350.org/

このキャンペーンをきっかけに、これまでオックスフォード大学、ノルウェー
政府年金基金、ロックフェラー兄弟財団を始めとする大学や公的基金、財団な
どが600億ドル(約7兆2000億円)以上の株式や債券などの投資を化石燃料関連
企業から引き揚げたという報道もあります。

一方で、投融資引き揚げが株価や企業活動に与える影響は限定的である、現代
社会は化石燃料の恩恵に支えられており、こういったキャンペーンは偽善的で
ある、発展途上国は経済発展のためにまだまだ化石燃料を必要としている、と
いった意見もあるようです。

今回「パリ・プレッジ」に署名した銀行は比較的小粒だったようですが、主流
の大手銀行にも広がりを見せるのか、ダイベストメントの今後の動向が注目さ
れます。


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〔2〕CSRコンパス 研修向けコンテンツのご紹介
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CSR経営を後押しする、会員企業様向け情報サイト「CSRコンパス」では、CSR
関連のニュース記事や、先進事例のご紹介のほか、社員のCSR研修向けの資料
提供にも力を入れています。

今回は、CSRコンパスの数あるコンテンツの中から、社員向けのCSR研修にすぐ
に使える!コンテンツをいくつかご紹介します。これらのコンテンツはWeb経
由でいつでもダウンロードしてご活用いただけます。

◆レクチャー資料づくりに・・・ レクチャー素材
CSR部門の担当者が社内向けに基本的なCSR教育(レクチャー)を行う際に活用
して頂けるプレゼンテーション資料のひな型です。CSRが必要とされる社会背景
や基本的知識に加え、先進企業の事例やCSRに取り組むことによって生まれる
機会(チャンス)などについて解説しています。パワーポイント形式でのご提供
で、講師のための原稿(スクリプト)付きです。
http://www.csr-compass.jp/member/box/lecture/


◆背景資料として・・・ 図表で見る環境・社会
世界の潮流を示すデータや図表をパワーポイント形式でご提供しています。
CSRに取り組む背景説明としてご活用いただけます。例えば気候変動関連の取
り組み推進に向けた勉強会では「地上の平均気温の上昇予測」「世界のCO2排
出量の推移」などの図表データで視覚的にも説得力ある解説をサポートします。
http://www.csr-compass.jp/member/box/graphics/


◆配布資料として・・・ CSR入門
CSRになじみのない方でも10分で理解できるよう、図解と平易な文章でCSRを解
説するシリーズです。1つのテーマを、A4一枚にまとめています。「CSRって何
?」「ステークホルダーって誰?」といった素朴な疑問への答えから、「生物
多様性」「児童労働」「カーボンオフセット」などの個別テーマの解説までご
用意しています。階層別、また各部門とCSRの関わりをまとめたシリーズもあ
り、研修対象に合わせてご活用いただいています。
http://www.csr-compass.jp/member/box/introduction/


CSRコンパスに関するご質問などはイースクエア内CSRコンパス事務局までお気
軽にお問い合わせください。
http://www.csr-compass.jp/member/contact/


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〔3〕CSRお悩み解決 -
     「ESG情報開示における現状分析・改善策の立案」
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このコーナーでは、CSR/サステナビリティの分野で寄せられたご相談とそれに
対するイースクエアのご支援内容(解決策)をご紹介します。皆さまのお悩み
解決のヒントになれば幸いです。


◆ご相談内容 「ESG情報開示における現状分析・今後の情報開示内容の検討」

B社では、これまでアニュアルレポートやCSR報告書において、ESG(環境・社会
・ガバナンス)といった非財務情報の開示を行い、ESG調査機関のアンケートに
も積極的に対応してきました。

昨今ESG情報開示への注目がさらに高まったことに加え、ESG調査機関の評価が
が、企業への個別アンケートから、企業が開示しているCSR報告書やアニュアル
レポートなどの情報を基に行われるようになったことを背景に、より戦略的な
ESG情報開示のあり方を検討したいとのご相談をいただきました。


◆イースクエアのご支援内容

まず、FTSE4Good新基準やSustainalyticsを始めとする主要ESG評価におけるB社
の結果を分析し、強み/弱みの把握を行いました。さらに弱みの部分において
は、情報開示の有無にかかわらず部門横断的に取り組み状況の棚卸しを行い、
改善の難易度をランク付け。それらを踏まえて以下2つに分類しました。

1. 次の報告書において反映可能な改善項目
2. 中長期で取り組む必要のある改善項目

そのうえで、1については、表現の方法を含めた具体的な開示案を作成。
2については、中長期ロードマップを作成しました。

さらに、グローバル先進企業の開示内容を分析することによって、具体的な
イメージを持って今後の改善に活かしていただいています。また、Webサイト
をESG情報開示の基盤と位置付け、ESG専門家にもわかりやすいサイト構造
を提案しました。

ESGに関するご支援については下記URLをご参照ください。
http://e-squareinc.com/management/esg.html


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〔4〕TFN 海外スタディ・ツアーのご紹介
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イースクエアが運営するサステナビリティ/CSR先進企業のネットワークである
TFN(The Frontier Network)では、来月、欧州にスタディ・ツアーに出かけ
ます。TFNでは、毎年、1週間をかけて海外のサステナビリティ関連の先進企業、
国際機関、政府機関、シンクタンク、NGOなどの団体を訪問し、先方からプレ
ゼンテーションをして頂いたうえでじっくり意見交換を行っています。

今年の目的地はコペンハーゲンとロンドン。製薬大手のノボ・ノルディスク、
DIY欧州最大手のキングフィッシャーなどの企業のほか、年金基金運用額で世界
第2位のノルウェー中央銀行投資管理部門(ノルウェー年金基金を運用)や英国
政府、グリーン・インベストメント・バンクなど、計10ヵ所を訪問します。

2006年からTFNのアドバイザーを務めてくださっている国連環境計画 金融イニ
シアチブ特別顧問の末吉 竹二郎氏も全行程同行くださる予定です。

TFNでは、こうした海外スタディ・ツアーのほか、年間を通してワークショップな
どを開催し、サステナビリティ/CSRの重要なテーマを掘り下げています。

ご関心のある方は、イースクエア内TFN事務局までお気軽にご連絡ください。
http://e-squareinc.com/network/


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〔5〕CSVに関するワークショップ開催のご報告
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9月25日、「企業とNGO/NPO間のパートナーシップによるCSV(クリエイティング
・シェアードバリュー)~The Power of CSV Partnerships~」と題したワーク
ショップをJ.P.モルガン本社で行いました。

このワークショップは、米国オレゴン州に本部を置く国際人道支援のNGO、Mercy
Corps(マーシー・コー)が主催し、人道支援組織ジャパン・プラットフォーム
(JPF)が事務局を務め、CSVを推進する「Shared Value Initiative(SVI)」
の会員(イースクエア含む)と協業することで実現しました。CSV の生みの親
マイケル・ポーター氏とマーク・クラマー氏が設立した米FSGがプログラムの
全体進行を担当しました。

今回のプログラムのベースとなったのは、参加者の皆様から事前にお寄せいた
だいたCSVに関するアンケート結果です。ご協力くださった多くの方々にこの場
を借りて御礼申し上げます。

当日の参加者は企業とNGO/NPOから半々で合計80名強。混成チームで様々な社会
課題に対する解決策を見いだしていくというプログラムでした。CSV のフレー
ムワークを使って検討することにより、企業がNGO/NPOに寄付をするという一
方的なお金のやり取りではなく、一緒にどのような方策が実現できるのかを
ビジネスモデルとして考えるという画期的なもので、これまでにない新鮮なデ
ィスカッションとなりました。

当社にもCSVの導入に関する問い合わせが増えてきていますが、自社の強みを
活かして社会課題に挑戦するというCSVの切り口は、既存のCSR取り組み停滞の
突破口になる可能性があると改めて感じたワークショップでした。

CSVに関するイースクエアのご支援内容は下記URLをご参照ください。
http://www.e-squareinc.com/management/csv.html


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【編集後記】
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私が今年自宅を建てた際に行ったインベストメント(投資)は、自然エネルギ
ーを利用するための機器の取り付けです。

具体的には・・・

・太陽光発電システム(系統連系型&独立型)
・太陽光を室内に取り入れる照明システム
・太陽熱空調システム
・太陽熱温水器
・薪ストーブ

です。

地元(神奈川県相模原市)の杉や檜を木材に使い、壁や窓の断熱もしっかり行
いました。日差しを遮るゴーヤーカーテンのおかげもあってか、エアコンを取
り付けなかったにも関わらず、無理なく夏を乗り切ることができました。

投資はそれなりに値が張りましたが、エネルギー使用量・光熱費を大幅に削減
できたうえ、日々自然の恵みを感じながら快適に過ごせることが大きな成果で
した。次代を担う子どもたちの環境教育にも一役買っています。

引っ越しして初めて迎える冬に向けて、最近は薪割りに精を出しています。
真冬の寒い夜に、揺らめく炎を眺めながら熱燗を味わう日が楽しみです。
(柳田)

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