2018年11月 5日

世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)は、大気中のオゾン層が2060年代には地球全体で回復すると予測する報告書「オゾン層破壊の科学アセスメント2018年(仮訳)(Scientific Assessment of Ozone Depletion: 2018)」を発表した。同報告書では、最も重要な点としてモントリオール議定書のもと実行されてきた結果として、大気中のオゾン層破壊物質の濃度は長期的に減少が記録され、成層圏オゾンが回復に向かっていることを明らかにした。

本報告書は、モントリオール議定書の科学評価パネルが4年毎に評価するもので、今年は第9回目となる。
成層圏オゾンは、2000年から10年に1-3%の割合で回復しているという。今後の予測では、北半球と中緯度地方では、2030年代に、南半球では2050年代に、さらに極域では2060年までに、オゾン層が完全に回復すると見込まれている。

来年2019年1月1日に発効する同議定書キガリ改正は、冷凍空調機器等での使用が予測されているハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の生産量と消費量を80%以上削減することを公約している。キガリ改正の実施によって今世紀の地球温暖化を最大で0.4℃抑制することができるとしている。