2016年5月16日

英国ケンブリッジ大学サステナビリティ・リーダーシップ研究所が招集したインベストメント・リーダーズ・グループ(ILG)は、金融市場における短期主義から生じる問題の解決に向けた報告書「長期的視野に立つ:長期的で責任あるサステナブルな投資マンデート(委任された権限)のためのツールキット(仮訳)(Taking the long view: A toolkit for long-term, responsible and sustainable investment mandates)」を発表した。

金融市場における短期主義は、過少投資や経済的非効率、企業の長期的価値創造を損なう不適切な意思決定などの原因になると広く認識されるようになった。投資家の短期主義についても、企業がサステナブルな事業慣行を進める上で障害になっていると指摘される。

本報告書は、各企業のニーズ、状況、持続可能な投資の理念などに沿う様々な特徴を整えた上で、多様な強みを持つアクティブな投資マンデートを開発するツールキットを提供している。投資のタイミング、組織の文化、ファンド・マネージャーのインセンティブ、ポートフォリオでの社会や環境への貢献などについて取り上げられており、投資家が、責任ある長期的な価値創造に貢献して貯蓄者や顧客の長期リターンを向上すると同時に、環境や社会にも貢献できる投資戦略を練るために使うことができる。