2019年11月 5日

国連グローバル・コンパクト(GC)は、企業がSDGsを活用し、企業のイノベーション・プロセスを促進し、将来のマーケット・ニーズを勝ち取っていくための新たなガイダンスを発行した。「イノベーションによりSDGsに飛躍的なインパクトをもたらすためのフレームワーク(仮訳)(Framework for Breakthrough Impact on the SDGs Through Innovation)」と題した本実務ガイドは、企業が、新たな商品やサービス、ビジネス・モデルを特定するとともに、気候変動をはじめとするグローバル課題の解決も貢献することができるよう後押しするものである。

国連GCのライズ・キンゴ事務局長は、「イノベーションなしにSDGsは達成できない。グローバル目標達成を志すことは、ビジネスに真の変革をもたらし、明日のビジネスを推進するものとなるだろう」とコメントしている。また本ガイド作成に協力した英Volans社のジョン・エルキントン氏は「このガイドは、組織がSDGsに関連する事業機会を特定し、それを活かす上で有用なツールになるだろう」とコメントしている。

なお、ビジネスと持続可能な開発委員会(Business Commission for Sustainable Development)が2017年に発行したレポートによると、エネルギー、都市、食料と農業、健康と福祉という4分野に絞っても、持続可能で包括的な成長の可能性を秘めた60種類の市場「ホットスポット」が存在し、2030年までに12兆ドル以上の市場機会を創出することができるという。雇用創出にもつながる。こうした機会は、特に低・中所得国で発現するだろうとしている。