2017年1月24日

国連グローバルコンパクト(GC)は、第三者認証機関のDNV GL、サステナビリティのシンクタンクであるサステニアは、2017年度版の「グローバル・オポチュニティ・レポート」を発表した。同報告書は、世界のリーダーが、世界の差し迫ったリスクに対応する新たな市場に舵を切ることを後押しするものである。

本年度は、5つのグローバル・リスクとして、「土壌劣化」「サイバー犯罪」「増大する不平等」「不安定になっている地域」「気候変動による深刻な影響を受けている都市」にフォーカスして報告しており、結論としては、破壊的技術やデジタルインフラが、世界で最も危機が迫っているリスクを解決し産業を転換させる可能性があるとしている。

また、世界のビジネス・コミュニティの持続可能な開発目標(SDGs)に向けたコミットメントに触れるとともに、5大陸の企業や政府、市民団体から5,500名のリーダーの知見を紹介し、5つのリスクに対応した15の持続可能性に関する機会を特定している。

120の実施可能なプロジェクトや解決策が紹介されており、その範囲は、気候変動に強い都市をつくるマイクロ・グリッドから、土壌劣化を改善するバクテリア、P2P(ピア・ツー・ピア)取引、サイバーセキュリティのテスト実施への倫理的なハッカーの招待など、多岐にわたっている。

本報告書における主な発見は下記の通りである。
1.スマート・ウォーター・テクノロジー(Smart Water Technology)が最も大きな市場機会である。
2.紛争地域へのEラーニングの提供が、2番目の大きな機会である。企業が平和的な社会を築くことに貢献できる取り組みテーマである。
3.AI等の技術の信頼性の向上は、「サイバー犯罪」や「増大する不平等」などのグローバル・リスクへの対応を後押しすることにつながる。
4.世界のリーダーは、「増大する不平等」が5つのリスクの中で最大であることに同意している。