2015年9月16日

世界的な環境NGOであるWWFは、報告書「生きている青い地球レポート(仮訳)(Living Blue Planet Report)」を発表した。同レポートによると、人類の食糧安全保障にとって極めて重要な魚類の個体数が世界的に深刻に減少しており、中には激減の危機に瀕している種もあるという。

過去40年間に海洋哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類の個体数は平均で半減、魚類の中には75%近く減少しているものもある。

また報告書は魚類個体群の減少とともに、魚類を支え人類に価値のあるサービスを提供するサンゴ礁、マングローブ、海藻の急激な減少についても報告している。サンゴ礁は1979年から2010年の間に34%減少し、2050年までに絶滅する恐れがあるという。海洋生物の25%以上がサンゴ礁に生息し、8億5千万人がサンゴ礁の経済的、社会的、そして文化的なサービスから直接恩恵を受けており、サンゴ礁の喪失はコミュニティの壊滅的な消滅につながる恐れがある。

同報告書は、このような下降トレンドを覆すためには、世界のリーダーが今月可決した「持続可能な開発目標(SDGs)」の遂行にあたり、海洋再生や沿岸生息地の健康を強く考慮することが欠かせない、と指摘する。